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平成6年式の読み方その1

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おさらいしておきましょう。
相続手続きにおいては、1人の人物の戸籍を過去にさかのぼって取得するわけですが、

さかのぼる

それにあたって、↓

をその1つ手前の戸籍から読み取る必要があるのでした。

1つ手前

加えて、今見ているその戸籍が、
いつからいつまで使われていたのかを読み取る能力も求められます。↓

いつからいつまで

もしも昭和50年から平成5年まで使われていた戸籍を、 昭和40年から平成5年までのもの、と誤読したらどうなるでしょう?
誤読

戸籍を取ったと思っている期間と、実際に取った期間とに、ずれが生じることになります。 自分では必要な戸籍をそろえたつもりが実は足りなかった、ということになりかねません。
ずれが生じる

そんなの間違えることがあるんですか?
必ずしもわかりやすい場所に戸籍の「いつから」や「いつまで」が書かれていないのです。 内容をよく読んで、ああここが始まりなんだな、終わりなんだなと判断しなければいけません。

まとめると、戸籍をさかのぼって取得するためには、

を読み取ることが求められます。
この3つができるようになることが目標です。

サンプル1
最初の例

以下のサンプルを見てください。↓

平成6年式サンプルその1

実際にはもう少し色々なことが書かれますが、
大体このような感じです。

先頭に本籍地と筆頭者の名前があり、その下に戸籍事項欄といってその戸籍全体についての記載をする欄、 そしてその下にそれぞれの者についての記載が続きます。↓

注釈

いつからいつまでの戸籍なのか

まずはこの戸籍がいつ作られたのかを探します。
戸籍事項欄を見ましょう。この戸籍がいつ作られ、いつ終わりを迎えたかといったことは、ここに書かれます。↓

全体について書く欄

Point

戸籍の始まりや終わりの日付は、戸籍事項欄を見ればわかる。

「編製日」とあるのが作成された日です。
平成10年の3月1日に作られたものであるとわかります。↓

編製日

Point

編製日はその戸籍が作成された日のこと。

次に、この戸籍が現役なのか、それとももう使われなくなった古いものであるのか、を判断しましょう。 戸籍の左上を見ます。↓

左上

ここに「除籍」とあれば、もう使われていない古い戸籍だという意味です。 もしもここに何も書かれていなければ現役の戸籍ということですが、ここには除籍とあるので、既にお蔵入りとなった古いものであることがわかります。

ではこの戸籍はいつどんな理由でお蔵入りとなったのでしょうか?
戸籍事項欄の「転籍日〜」という記載からそれがわかります。 平成28年にそれまでのさくら県からひまわり県へ転籍をしたようです。↓

転籍日

転籍とは一家そろって戸籍を別の場所へと移すことです。
理由はわかりませんがこの佐藤さん一家は平成28年にさくら県からひまわり県へ本籍を移し、 それが原因でこのさくら県の戸籍はお蔵入り(除籍)となったのです。

Point

「転籍日」と「新本籍」がセットになっていたら、その日付が戸籍の終点。

まとめると、この戸籍は平成10年3月1日に作成され、平成28年4月1日に除籍となったことがわかりました。

これ以前の戸籍を取るには

相続手続きでは戸籍をある人物(例えば亡くなった人)の生まれたところまでさかのぼって取得することが多いので、 今回のサンプルで練習してみましょう。

まずは佐藤一郎の出生日を見ます。昭和45年5月1日とあります。
これはこの戸籍が作られた平成10年よりだいぶ前です。↓

出生日

ということは佐藤一郎には、これ以前の戸籍がどこかに存在するということです。
どこにあるのでしょうか?

以下の3行が関係ありそうです。
「従前戸籍」という言葉がいかにも怪しげです。↓

婚姻日

↑この3行を見ると、

  • 一郎が平成10年2月に鈴木一美と結婚をしたこと
  • 結婚をする前はもみじ県に本籍があったこと
  • 結婚前に入っていた戸籍の筆頭者は、佐藤父郎という人物であったこと

がわかります。
ということは・・↓

一郎の直前の戸籍はもみじ県にあり、結婚したことが原因でこのさくら県に新しく戸籍を作ったのかな。

と推測できます。

一郎の婚姻日とこの戸籍の編製日がとても近いことが、推測を裏付けています。↓
もみじ県が一郎の直前の本籍地であるとみて間違いないでしょう。

婚姻日と編製日が近い

よって、一郎の以前の戸籍が欲しいときは、
もみじ市の役場へ行って、↓

本籍地はもみじ町456番地、筆頭者の名前は佐藤父郎。
一郎の出生から平成10年3月1日より前の謄本を、この役場にあるだけ全部ください。

という具合に指定すればいいわけです。

同様に、妻の一美の以前の戸籍が欲しいときは、一美の身分事項欄を見ましょう。↓

一美の身分事項欄

↑すみれ県から本籍を移したこと、
そして以前の戸籍の筆頭者の名前が鈴木父義であること、がわかります。

本籍地はすみれ町789番地、筆頭者の名前は鈴木父義。
一美の出生から平成10年2月26日より前の謄本を、この役場にあるだけ全部ください。

などと指定しましょう。

続いて長男の息夫です。まず息夫の出生日を確認します。↓

出生日

↑出生日は平成12年の8月とあります。
これはこの戸籍が作られた平成10年3月よりも後です。

この戸籍が作られた後に息夫が生まれたということは、息夫は生まれてからずっとこの戸籍にいた、ということなのでしょう。 息夫の身分事項欄に「従前戸籍」の記載がないことからも、そう判断して良さそうです。

つまり息夫についてはこれ以前の戸籍はありません。
ここが最終地点(もっとも古い地点)です。

相続においては誰かの戸籍を出生までさかのぼって取得することが多いのですが、出生までというのは、 戸籍が作られた日が、その人物の出生日よりも昔になったところまで、 という理解で大体はOKです。
さかのぼるのはここまで

しかしそのルールでOKではないことも時々あります。
次に長女の娘子について見てみましょう。出生日を確認します。↓

出生日

↑出生日は平成15年の6月とあります。
これはこの戸籍が作られた平成10年3月よりも後です。

では娘子も生まれてからずっとこの戸籍にいたのですね。

と考えたくなりますが、待ってください。
娘子の身分事項欄を見ると、「従前戸籍」の記載があります。↓

前の本籍が書いてある

どうやら娘子にはこれ以前に入っていた戸籍があるようです。
この戸籍が作られた後に娘子が生まれたはずなのに、どうしてでしょうか?

それは娘子が佐藤夫妻の養子だからです。
よく見るとそこかしこに娘子が養子であることについての記載があります。↓

養子であることが書いてある

つまりこういうことです。
まず平成10年にこの戸籍が作られ、その後の平成15年に娘子が別の家庭で誕生し、翌平成16年に娘子が養子としてこの戸籍に入籍をした。

このように「出生日>戸籍の編製日」となっていても、その人物に以前の戸籍が存在する場合があります。 身分事項欄をよく読んで、「従前戸籍」という記載がないか、目を光らせる必要があるというわけです。

Point

身分事項欄に「従前戸籍」があるかないかをチェック。

娘子の以前の戸籍が欲しいときは、
ぼたん市の役場へ行き、↓

本籍地はぼたん町135番地、筆頭者の名前は田中実男。
娘子の出生から平成16年2月1日より前の謄本を、この役場にあるだけ全部ください。

という具合に指定するといいでしょう。

サンプル2
法改正によって作られた戸籍

続いてのサンプルを見てください。↓

平成6年式サンプルその2

いつからいつまでの戸籍なのか

まずはこの戸籍がいつ作られたのかを探します。
戸籍事項欄を見ましょう。この戸籍がいつ作られ、いつ終わりを迎えたかといったことは、ここに書かれるのでした。↓

全体について書く欄

「改製日」とあり、どうやら平成12年の7月1日に作られたもののようですが・・↓

改製日

さっき見たサンプルでは、戸籍が作られた日は「編製日」となっていました。
なぜここでは「改製日」なんですか?

と疑問を持って欲しいところです。
実はこの違いはなかなかに重要な意味を持っています。

「編製日」と書かれていればそれは、全く新しい戸籍が作られましたよ、という意味です。 一方で「改製日」と書かれていた場合は、内容は前と大体同じだけれど書式だけバージョンアップしておきましたよ、という意味になります。

何だかよくわかりませんが・・。

例えばここに3人家族のAさん一家の戸籍があったとしましょう。↓
Aさん一家

その後、長男が結婚をして戸籍を出て、↓
息子が外れる

新しい戸籍に入りました。↓
新しいもの

↑そのときこの2つは全く別の戸籍といえます。
まず筆頭者の名前が異なりますし、本籍地も別の場所となっているかもしれません。 メンバーも大きく変わっています。

こんな風に全く新しい戸籍が作られたとき、
その日付は「編製日」として記載されます。

編製日

一方でこういうケースもあります。
Aさん一家には別に変化がないのに、法改正に伴い戸籍の書式を改製したいという理由で・・つまりはお国の側の事情で、 新しい戸籍を作らなければいけなくなったというケース。いわば戸籍のリフォームです。↓
改製するから出て行って

この場合、新旧2つの戸籍の内容は大体・・全てはないですがまぁ大体、同じです。
筆頭者の名前も本籍地も同じまま、様式を改めたのです。↓

新旧

こんな風に、内容が大体同じまま様式を改めた戸籍が新たに作られたとき、その日付は「改製日」として記載されます。↓

改製日

編製日と改製日、2つの違いはこういうことです。

その違いは重要なんですか?

と思うかもしれませんが、後ほど重要な意味を持ってきます。
とりあえず先へ進みましょう。

さて、この戸籍が作られたのは平成12年の7月1日とわかりました。
いわばここがこの戸籍のスタートです。↓

改製日

ではゴールはどこでしょうか?
この戸籍はいつまで使われていたのでしょう?

左上を見ます。ここに「除籍」とあれば、その戸籍はもう使われていませんよ、という意味になるのでした。 しかしここには「除籍」の文字はありません。↓

左上

つまり今も使われているということですか?

今もかはわかりませんが、
ともかくこの戸籍を取得した時点では、現役だったことがわかります。

まとめると、この戸籍は法改正により平成12年7月1日に作成され、取得時点ではまだ使われていたことがわかりました。

これ以前の戸籍を取るには

山田太郎の出生日を見ると、昭和20年1月1日とあります。↓

出生日

この戸籍が作られたのは平成12年の7月ですから、太郎の出生からだいぶ経ってできたものです。 ということは、太郎にはこれ以前に入っていた戸籍が存在するということです。

では太郎の1つ前の戸籍は、どこで取ることができるのでしょうか?

太郎の身分事項欄を見ると、太郎が昭和50年6月に結婚していること、その前にはもみじ町に本籍を置いていたこと、がわかります。↓

婚姻日

これが太郎の1つ前の戸籍だ。

と思うでしょうが、そうではありません。
よく見てください。太郎が結婚したのは昭和50年で、この戸籍が作られたのは平成12年です。↓

出生日と婚姻日

時期にずいぶん開きがあります。
ということは、もみじ町の戸籍は太郎の1つ前の戸籍ではなく、もっと昔(2つ以上前)のものなのです。

太郎は結婚する前はもみじ町に本籍があり、その後昭和50年に結婚をしどこかに新しい戸籍を作り、 さらにその後平成12年に戸籍が改製された、とそういう経緯なのでしょう。↓

経緯

このように、「従前戸籍」は必ずしも「1つ前の戸籍」を意味しません。
結婚をする前であるとか養子に入る前であるとか、とにかくその人物が戸籍を移すきっかけになった出来事の「前」という意味に過ぎないのです。

Point

「従前」はあくまで「過去の」という意味であり、「直前の」という意味ではない。

先ほど見たサンプル1のケースでは、一郎の婚姻日と戸籍の編製日がとても近かったので、 結婚前に入っていたもみじ町の戸籍が、一郎の1つ前の戸籍だろうと判断できました↓

婚姻日と編製日が近い

しかし今回のサンプルでは、太郎の婚姻日と戸籍の改製日に開きがあるため、そうした判断はできません。↓

出生日と婚姻日

太郎の1つ前の戸籍はどこか他にあるのです。
いったいどこにあるのでしょう?

経緯

ここで思い出してほしいのが、戸籍事項欄に「改製日」とあることです。
この戸籍は平成12年に様式をリフォームして作られたものでした。↓

改製日

リフォームされたということは、その前後で内容は大きく変わっていないということです。
本籍地や筆頭者の名前は、そのまま引き継がれたはずです。↓

新旧

つまり山田太郎は1つ前の戸籍でも筆頭者であり、
そしてそれはこの戸籍と同じ「さくら町123番地」にあったことがわかります。

太郎の以前の戸籍が欲しいときは、さくら市の役場へ行き、↓

本籍地はさくら町123番地、筆頭者の名前は山田太郎。
太郎の出生から平成12年7月1日より前の謄本を、この役場にあるだけ全部ください。

という具合に指定するといいでしょう。

このように、戸籍事項欄に「改製日」とあったときは、↓

  • 改製前の戸籍も同じ場所にあること
  • 改製前の筆頭者も同じ人物であること

を押さえておくことが重要です。
戸籍にはいちいち書かれないので、こちらでわかっていなければいけないのです。

改製後に町の名前が変わっていることが時々あります。
その場合、改製前の戸籍は、名称が変更になる前の町名で請求することになります。

なお、町名が変更されたときは戸籍事項欄に「更生日」として変更された日付が、 そして「従前の記録」として変更前の町名が記載されます。

続いて花子の1つ前の戸籍も調べておきましょう。
身分事項欄を見ると、従前戸籍すみれ町と書かれていますが・・↓

従前

太郎のときと同様、これは引っ掛けです。これは花子が結婚前にいた戸籍のことです。 結婚したのが昭和50年で、この戸籍が作られたのが平成12年ですから、花子の結婚前の戸籍はずいぶん昔すぎます。 直前のものではありません。↓

婚姻日と改製日

では花子の直前の・・1つ前の戸籍はどこにあるのでしょう?
やはりここで思い出してほしいのは、この戸籍が法改正によってリフォームされたものであるということです。↓

新旧

内容が大体同じままリフォームしたのですから、リフォーム前の戸籍に花子もいたのではと推測できます。 あくまで推測です。断言はできません。

なぜ断言はできないんですか?

花子は太郎と違って筆頭者ではないからです。
筆頭者であればリフォーム前も筆頭者であったわけですから、リフォーム前の戸籍にもいたと断言できますが、 花子の場合は、リフォーム後にどこか別のところからここに入ってきた可能性もあります。

いわば花子は新しいメンバーであり、リフォーム前にはいなかったのかもしれません。 戸籍の改製後に家族が増えることは当然あります。↓

増えたかも

しかし花子の身分事項欄を見ても、戸籍の改製日以降に籍を移した(ここに入ってきた)様子はありません。 平成26年2月に亡くなっていることがわかりますが、無関係です。↓

身分事項欄

それに昭和50年に太郎と結婚し、それ以降はずっと太郎と同じ戸籍にいたはずです。 ということはリフォーム前の戸籍に、やはり花子もいたのです。

花子の以前の戸籍が欲しいときは、さくら市の役場へ行き、↓

本籍地はさくら町123番地、筆頭者の名前は山田太郎。
花子の出生から平成12年7月1日より前の謄本を、この役場にあるだけ全部ください。

という具合に指定するといいでしょう。

以上、ここまで2つのサンプルを見てきました。
次のページでは、さらにもう2つ見ていくことにしましょう。

【次のページ】  » 3. 平成6年式その2

【目次】 戸籍の読み方

  1. 1. 戸籍の基本
  2. 2. 平成6年式  ←Now
  3. 3. 平成6年式その2
  4. 4. 昭和23年式
  5. 5. 大正4年式
  6. 6. 明治の戸籍

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